キャッシュゲームにおけるショートスタック戦略

キャッシュゲームにおけるショートスタック戦略 中級者戦略

ショートスタック戦略という言葉はご存知でしょうか、ライブで使用されるポーカーの戦略です。
しかしながら、結果的にショートスタックで戦うプレイヤーは多くとも
キャッシュゲームで意識して自らショートスタックを選択しているプレイヤーは少なく
それゆえに上手に戦略を理解して戦えていない人が多いプレースタイルでもあります。

本記事ではそんなショートスタック戦略について概要とメリットデメリットの説明を行います。

ショートスタック戦略とは

ショートスタック戦略とはキャッシュゲームにおいてゲームに参加するために必要な最低減の参加費などの少ないチップ量からゲームを行うことをいいます。

本来100bbから300bbから参加するところを20bbや40bbという少ないチップ量から意図的に
ゲームをスタートすることになります。

少ないチップ量でプレイすることで意識的にSPRを低い状態でプレイし、
選択するアクションを激しく、はっきりとさせてプレイを行います。
結果的に2ペアなどの薄いバリューや相手のブラフレイズでもオールインを目指すことになり、
アグレッションの高いプレイを行い放棄するエクイティを少なくすることができ、
実際のエクイティの実現を高めることができます。

トーナメントではパワーナンバーやHRC(※1)を用いてショートスタック時の立ち回りを行います。
主に20bbを下回った状態でプッシュORフォールド(3BET)を想定した戦略となります。

今回はキャッシュゲームを想定したショートスタック戦略を記載していきます。

パワーナンバーはこちらを参照ください。

※1 Holdem Resource Calculator パワーナンバーよりもより詳しく情報入れて計算したもの

ショートスタック戦略の特徴

上記で説明した内容をもう少し詳しくご説明していきます。

まず、ショートスタック戦略は50BB以下のスタックでプレイを行います。

50BBだと仮定すると

プリフロップで5BB
フロップで15bb
ターンで45BB
リバーでは2/3サイズベットで必然的にオールイン

になるスタックです。

つまり、相手のリレイズを待つことなくこちらのトリプルバレルでオールインを目指すことができ、
この「リバーで勝率3割でコールできるオールインを相手に提示することができる」
ということが戦略の柱となります。

この柱をもとに相手がリバーでのアクションが
コールしすぎなのか
フォールドしすぎなのか
相手のブラフのチェックレイズは適切か
により頻度の調節をおこなって利益を上げていきます。

当然ながらフォールド過多の相手にはリバーでのオールイン頻度を上げ
コール過多の相手にはリバーはチェックで回すことが多くなります。
相手のチェックレイズが方であればチェックやブロックベットによりブラフを誘う戦略も行います。

基本的にはより、アグレッションをあげていき、こちらがバリューの際はオールインまで持っていき
バリューを実現させ、ブラフの際はこちらからオールインを打てるように調整し
リバーでフォールドによるエクイティを喪失させないように戦います。

ショートスタック戦略のメリット

ショートスタック戦略の利点は自分のみSPRが低い状態で戦うことができ、
この状況を意識して戦うことでEVを実現しやすいことです。

また3人以上で戦う際、相手はショートスタックである自分と、ディープスタックである
もう1人の両方を相手しなければならなく、最適な戦略を取りづらくなります。
結果、相手がミスしやすい環境になり自分の利益につながります。

補足ですが、よくメリットとして“失う金額が少ない”をあげているサイトやブログがありますが
失う金額が少ないこと自体は事実であっても同様に得る金額も少なくなり
こちらはメリットというよりはトレードオフな関係であります。

どちらかというとショートスタック戦略の特性だと考える方が正しいと思います。

また、失う金額が少ないことをメリットと感じるのであれば
残念ながら適正なレートでプレイしているとは言えません。

マネープレッシャーを感じてプレイしていると考えられます。

その場合はレートを下げてフルスタックでバイインする方が利益的だと思います。

ただ、ポーカーをカジュアルに楽しんでいる方にとってはこの”失う金額が少ない”は
メリットかもしれません。1~2時間くらいの短い時間で遊ぶことを想定すると
ショートスタック戦略はSPRが低くより、激しいプレイができるので
金銭的な期待値はないですが、限られた時間で楽しむ、という
金額以外の期待値はあるのかな、と思います。

ショートスタック戦略のデメリット

ショートスタック戦略はショートスタックプレイヤーへのアジャストが得意ではない人へ向けて行う環境的なエクスプロイトだと考えています。

エクスプロイトである以上

自分の理解が相手の理解を上回っている必要があり、理解が不十分なままだと
通常のゲームプレイ以上に損失を被ってしまう可能性があります。

また、テーブル上のチップ量が少ないので取れる戦略やプレイに制限がでてしまいます。

特に相手より自分の方がスキルがあると感じた場合、プレイの引き出しが制限されることで有利に戦えなくなる可能性があります。

ショートスタック戦略は獲得できるチップの総量の上限を減らし
なおかつチップの少なさから相手に表現できるプレッシャーに制限がかかってしまうため
スキル差がある場合はデメリットとなります。

まとめ

今回はショートスタック戦略についてメリットとデメリットをまとめさせていただきました。

デメリットの所でもお伝えさせていただきましたがショートスタック戦略の理解とプレイヤースキルがないとデメリットを受けてしまう反面、プレイヤースキルがあれば100bb以上のスタックでプレイした方が利益的ですので私としてはあまり使い所がない戦略だと考えています。

しかしながら周りのショートスタックの理解次第では利益となるシチュエーションもあることは把握しながら適切なタイミングでこのプレイ方法を選択しましょう。

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