ポラライズ(polarize)は直訳だと「両極化・偏向化する」などの意味で用いられ
ポーカーにおいてはとても強い手かとても弱い手のどちらかでレンジ構成を行い、ベット額にも反映させていくことをさします。
正しくは「ポーラライズ」と発音しますが、日本ではポラライズという音で使用されており
ポラライズレンジ、などの単語で用いられます。
また、対義語に当たるコンデンストレンジという言葉もご紹介します。
こちらはポラライズとは逆の意味で使われ、強さの両端が薄く、中間の強さの手が多く含まれており
強さの度合いが真ん中に偏っているレンジのことをさします。
直訳だとコンデンスは凝縮ですので(コンデンスミルクなど)
凝縮レンジと日本では訳されることが多いです。
なぜポラライズするのか
ポーカーにおいてはアグレッサーがポラライズレンジを持つことが多く
コーラー側はコンデンストレンジを持つことが一般的です。
こちらの関係はナッツアドバンテージ、つまり一番強い手をアグレッサー側が持っている可能性が高いことが一番の理由となります。
ナッツアドバンテージがフルに活用できる状況では、レンジ構築としてポラライズレンジを採用し、大きなベットを行うことにより期待値の最大化を図るためです。
ポラライズ=100%を超える大きなベットサイズ
と思われているのはこのナッツアドバンテージを主張している、という関係から表現されています。
ポラライズするボードとハンド
ではどのようなボードの時にどのようなハンドでポラライズレンジを構成するのでしょうか。
具体例でご説明しますが、どのようなボード、という答えは前述のとおり
ナッツアドバンテージがフルに生かせる状況
が回答となります。今回はAKがボードに落ちた例で考えます。
プリフロップでシングルベットに対してBBがコールした際にボードに
Ah Ks 7c
と落ち、BBがチェックで回したた際の各ポジションのベットを見てみましょう。
ちなみにこのボードが落ちた際、BB側は100%チェックとなります。
たとえ強力なハンド(この場合はA7,77)だったとしてもチェックレイズするコンボに充てます。
濃い赤が約120%ベット、次に濃い赤が75%ベット緑がチェックになります
【UTGvsBB】
全レンジでベット。また60%以上で100%以上のベットサイズを採用
【COvsBB】
100%以上のベットサイズはUTGとあまり変わらないがマージナルハンド(一部AAも)チェックに
【BTNvsBB】
チェックレンジが増えるが35%ほどは相変わらず100%以上のベットサイズを採用している。
ご覧のとおり、フロップでVPIPが低くなるポジションであればあるほどフロップで落ちた A や K が自身のハンドレンジとマッチしておりよりポラライズされたレンジと合致しております。
そのためUTGだと全レンジで高いサイズのベットとなり
他のポジションからでもベットは75%以上が採用される頻度が高くなります。
また、50%のベットサイズはあまり利益的にならないことがGTOの結果からも算出されています。
また、チェックしている手にも注目してください。
QQやAx,Kxの弱いところはマージナルなハンドでありチェックになっています。
ブラフのベットとしてはノーヒットが中心となっており、こちらも強い手と弱い手をベットに回していることが見て取れます。
これは私の肌感ですが25zまでのマイクロステークスにおいてこのオーバーベットを適切に扱えている人は多くないですし、おそらく適切に対処できない人も多くありません。
脱初心者の道筋はいくつもありますがこのオーバーベットを取り入れることは近道になるのではないでしょうか。
まとめ
今回はポラライズについて一部GTOツールの画像を用いて説明しました。
途中に根拠として掲載したGTOの内容というよりも
ポラライズというものがナッツアドバンテージの考えから生まれている
この点を抑えて強い手と弱い手でベットレンジを構築する。
このことをしっかり覚えておけばだいたいのレンジ構成に間違いはないと思います。
GTOツールは調整や理論の裏付けとして使うことをお勧めしますが
最初は「なぜこうなるのか」という原理を少しづつ覚えていき、実践に取り入れていきましょう。
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